カウンセリングここが違う

 
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カウンセリングここが違う

カウンセリングここが違う

 専門用語を並べ立てるのではなく、持てる知識を皆さんのわかる言葉で、時間をかけて、できるだけ一生懸命、説明します。
矯正医としての約30年の治療の知識や経験から、患者さんへの説明の内容が変わってきたように思います。それは、治療自体だけではなく、患者さんに人として接する必要の重要性や、治療やコミュニケーションを私以外のスタッフと一緒に図ることになることをわかった上で説明する必要があるとの思いからです。
 
  それは、大学病院に得た研究に裏打ちされた診療経験はもちろん重要ですが、それだけでなく、開業後に町医者として約20年、皆さんと接して学んだ経験からより強く感じています。わからないことはわからないと言いますし、友人にアドバイスするように、できるだけ率直にお話ししたいと思っています。


    矯正治療を受けようという皆様方に、時として、“始めに”新しい装置“ありき、”新しい装置“が独り歩きして“伝わっている印象を持つことが少なからずあります。“新しい装置”は、長い年月をかけて培われた矯正歯科学の基礎知識、原理原則、の上に築かれています。このような意識なしに、安易に、”新しい装置”を、患者様に使ってみるというスタンスはどうかと思います。 矯正歯科医は、使用する“新しい装置”やそれを用いた治療法の基本理念が、十分わかって、始めて、十分に使いこなし、より良い結果を生みだせると聞く機会がありました。その通りだと思います。 “新しい装置”が良いのではなく、矯正歯科医の知識と経験、“新しい装置”も使いこなせる知識と経験が、何より、患者様の症状を改善するのに役立つのだとも思います。

私たちが目指しているカウンセリングは、“この”新しい装置“を使っているから、治りますよ”といったお話ではありません。治したいところ(主訴)はこういったところですね。
 でも、他にも、このような原因から、こんな問題もありますよ。それをこの時期にこのようにして治していくことで、将来的に、このようなことが期待できますよ。 また、逆に、このようなことは期待できませんよ。、、と説明したいと考えています。
 
 

このようにご相談させて頂きます。

 お話をお聞きして、専門家としてご相談します。

まず、一番治したいところ(主訴)をお聞きして、それをよくわかった上で、説明したいと考えています。それを治す治療を心がけています。本当に当たり前のことですが、それが治らなければ話になりません。ですから、いくらドクターサイドからいい治療だと言っても、患者さんの思いと違えば治療の意味がないかもしれません。
 
 また、治したいと思っているところ以外の私たち専門家から見て問題であるところ(プロブレムリスト)についても説明します。皆さん自身が、どこが悪いのか、どこを治したいのかはっきりしない場合には、頭の中が整理できると思います。

一例として、一見、患者さんが気付かないことかもしれませんが、次のようなものがあります。 

 

Case 1

患者さんが一番治したいところ(主訴) 13歳  女性

 上顎前突(出っ歯)
 

院長が治した方が良いと考えるところ(プロブレムリスト)は
 
 上顎前突(出っ歯) 
過蓋咬合(咬み合わせが深い) 
叢生(でこぼこ)
下あごが左にずれている。 
上の歯の中心が右へずれている。 
 

   
 

治療内容 エッジワイズ装置等を用いて、審美的改善の満足度に配慮しながら、2年半で改善しました。 
治療費    85万円(税別)

Case 2

患者さんが一番治したいところ(主訴) 11歳  女性
 
 叢生(でこぼこ)
 

院長が治した方が良いと考えるところ(プロブレムリスト)は
上顎前突(出っ歯) 
過蓋咬合(咬み合わせが深い) 
 叢生(でこぼこ)
下あごが右にずれている。 
上の歯の中心が左へずれている。 
下あごが上の歯でロックされて後ろに押し込まれていることにより、咬むことがしんどく、また見た目も下あごが小さいといった感じになっている。
 

   
 
 

治療内容 エッジワイズ装置、リップバンパー装置等を用いて、ストリッピング 時にはエナメル質の厚み、形態に注意し、配列に際しては、歯肉の退縮も考慮して、3年半で著しいでこぼこを歯を抜かずに治しました。 
治療費    90万円 (税別)

 
  
 

 治療のイメージが湧くようにお話します。

 ドクターが治すべきと考えて下した診断と治療方法だけが唯一の選択肢ではなく、皆さんの(受験、転勤、仕事、費用面での制限、価値観などの社会的背景も十分配慮して、可能な他の選択肢を提示することも重要だと思います。
症状だけでなく皆さんの社会的背景もお聞きして、それに合うように治療を進め、最良の状態に仕上げていきたいと考えています。
 注)DOS(Doctor Oriented System), POS(Patient Oriented System)
   
 皆さんの症状を、どこまで改善できるのかは、できるだけ類似した、多くの具体的な治療例をお見せして、それらとの違いも説明し、できるだけイメージがわくようにお話しします。治療例参考ください。その際には、皆さんのお口と顔の写真を用いて、できるだけ詳細にコメントを書き加えながらご説明いたします。
 また、矯正治療が、皆さんの生活の中で、どれだけの負担になるかは、治療のタイムスケジュールや、治療した方のコメントもご紹介して理解していただくようにしています。

優先順位に応じて、治療方針を相談します。

 皆さんの治したいところを伺っても、その許容範囲があまりに狭いと(例えば、ある有名人と同じ口元をしたい)、満足できる範囲に治せるかどうかわからない時もあります。
 それは、実際の個々の矯正治療は、その人の持っている歯やあごの大きさや形を使って、その中でできるだけ見た目もよく、機能的にも良い状態(個性正常咬合)にする治療だからです。
 当たり前ですが、皆さんが同じ顔、口元になるわけではありません。
 
矯正治療は、
  早く短期間で治したい。
  歯を抜かないできれいに治したい。
  口元をできるだけ退げたい。
  装置の負担ができるだけなく治したい。
  できるだけ低価格で治したい。

と誰しも思うところですが、比較的多くを満たすことができる場合もありますが、症状が重篤であれば、必ずしも、すべての条件を満たせるわけではありません。
 
 もし迷う場合は、その場合は自分の治したいところがどこなのか、それに対してご自身が生活の中でどれだけの負担が避けるのか、今一度問い直してみてください。そして、矯正治療をするなら、しっかりと納得した上で始めていただくことはとても重要です。
 
また、皆さんがしっかりと考えていただけるように、カウンセリングの中では、このような情報を説明します。