より良い治療

 
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抜かない矯正

早期治療

 日常の会話で、”口元がお父さんにそっくり”などとよく耳にすることがありますが、 子供の顔だちが、親に似るのは当たり前で、あごの骨の形や骨に支えられる歯の並び方が、ある程度、遺伝(先天的要因)で、決まっていると考えるのが普通でしょう。
      これに対して、生まれた後、口元や歯並びが好ましくない影響を受けることもあります。
例えば、指しゃぶりをしたり、抜けてはいけない乳歯が虫歯で早く失われるなど、 歯列の周りの環境の変化(後天的要因) が関連することがあり、これは適切な観察で未然に防げます。
 鼻炎が先天的に遺伝だったり、生活環境が悪くアレルギー体質となり、 鼻炎を併発という後天的な場合もあるでしょうが、鼻が悪いことは、歯並びや口元に与える影響は実に大きい場合があります。上あごの天井部分の骨は、鼻では床の骨に相当、つまり骨一枚はさんで口と鼻なのです。                         
 本来は、呼吸というものは、本来、すべて鼻で行われるべきものなのですが、何らかの原因で、鼻が悪いと、それをなんとか口で補おうとします。                    
 すると、歯列の周りの唇、頬、舌などの筋肉は、口で呼吸をしやすいように働いて、締り方が変わってきます。                           
 また、姿勢は、口呼吸しやすいように簡単に猫背になってしまって、頭蓋骨を一体となった上のあご、吊り下げられている下のあごの関係が崩れてきます。当然、上下の歯列の関係も崩れてきますよね。姿勢を維持しているのも筋肉です。
具体的な早期治療は、
 鼻が悪くて口呼吸しようとすると、お子様方が成長の過程で、 様々な筋肉の働きが変わり、結果として口元や歯列に大きな影響を与えることがあります。
 口呼吸が、口元や歯列に影響を与えることは、耳鼻咽喉科の先生方は当然ご存知です。                              
 鼻が悪く、口呼吸になることを環境因子としてとらえ、それに矯正歯科的に介入して、もとの遺伝で決まったあごや歯の形に与える大きな影響を防ごうというのが早期治療です。                             
 ここで、鼻閉から起こる口呼吸がどのような影響をもたらすのか説明していきましょう。

具体的な早期治療は、
 
① 左右の上あごの継ぎ目が十分にひっつく前、
② 少しは無理できる子供の歯の根っこが十分ある間
に、上の乳歯をつかむ装置で左右の上あごの継ぎ目を離すように拡大し、その上の鼻腔も広げて呼吸を改善し、口の周りや姿勢を決める筋肉が標準的でない成長をするのを改善する根本的な原因を断つ治療なのです。
その結果、歯を並べるためのスペースが大きくできて歯を抜かない矯正治療につながることにもなります。
成長治療中に、根本的な原因を治療するほうが、待つだけ待って結果だけを治療するより良いと考えています。

出っ歯(上顎前突)

8歳 女性
治療費 約85万円(税別) 
治療期間 早期治療 2年半 永久歯治療 1年半
使用装置 ハイラックス装置、ヘッドギア、リップバンパー、エッジワイズ装置

11歳 女性
治療費 約110万円(税別) 上は裏側装置
治療期間 早期治療 2年 永久歯治療 1年
使用装置 ハイラックス装置、ヘッドギア、リップバンパー、裏側矯正(上)、エッジワイズ装置(下)

8歳 男性
治療費 約90万円(税別)
治療期間 早期治療 2年 永久歯治療 1年
使用装置 ハイラックス装置、ヘッドギア、リップバンパー、エッジワイズ装置

受け口(上顎前突)

8歳 女性
治療費 約55万円(税別)(早期治療のみ) 
治療期間 早期治療 1年半
使用装置 ハイラックス装置、フェイスマスク、リップバンパー

6歳 男性
治療費 約55万円(税別)(早期治療のみ) 
治療期間 早期治療 2年
使用装置 ハイラックス装置、フェイスマスク、リップバンパー

質の高い治療

 
―様々な質の日用品があるのと同様に矯正の装置やワイヤーなどの材料にも色々なものがあります。私達は最良の治療を提供できるようにするため、質の高い矯正材料を選択しています。
 
形状記憶合金ワイヤ-について-
  本クリニックにおいて使用する最先端の形状記憶合金ワイヤーは、NASAの技術を応用したものです。冷水でのうがいにより柔らかくなり、治療初期の痛みを緩和することができます。また、治療開始直後の痛みがなくなった後には、ぬるま湯でうがいをするたびに適度な弾力性を回復して効率的に歯を動かし、従来に比べてより短期間で、しかも少ない来院回数で治療が行えます。 
 
-患者さんごとのセットアップと使い捨て材料について-
  殺菌、衛生面から使用可能な使い捨て材料を積極的に利用するとともに、患者さんごとに基本的な器具をトレー上に用意しております。
 
  -患者さんごとにあった治療計画について-
  早期治療等により見た目の美しさを求める方、知人などに知られずに治療を終えたいと思う方、結婚や就職を控え早期に治療を終了させたいと思う方、なるべく歯を抜きたくないと考えている方など、治療前の十分なコンサルテーションにより患者さんの希望に応じて最良の治療計画をたてるよう努力しております。

形状記憶ワイヤーについて


Q.
温度によって硬さが変わるワイヤーがあると聞きました。それはどのようなものですか? また、それを使うとどういう利点があるのですか?
 
A.それは、カッパーナイタイワイヤーというNASAの技術を応用した形状記憶合金です。詳しく説明するときりがないのですが、ニッケルとチタンと銅からなる合金で、温度によって金属の結合様式が変わるために、硬さが変わります。(オーステナイトとマルテンサイトという2つの相を持ちます)
 通常のお口の中の温度では歯の移動に適切な硬さをもっています。氷水でうがいをして温度を下げると柔らかくなるので、装置をつけたあとすぐに感じることもある軽い痛みを和らげることができます。また、装置に慣れ痛みを感じなくなった時には、ぬるま湯でうがいをして頂くたびに歯の移動に適切な硬さが戻ります。
 また、温度だけでなくワイヤーのたわみの量によっても硬さが変わります。治療初期で歯のでこぼこがきつくワイヤーが大きくたわむ時には、柔らかくなりゆっくりと歯を動かし始め、治療が進みでこぼこ が少なくなるに従ってワイヤーが硬くなり細部にわたる調整が自然に可能となります。
 つまり、治療初期の痛みを自分でコントロールできるとともに、これまでより頻繁に来院してもらうことなくスムースに歯が動いて早く治るというわけです。やや高価なものですが、宇宙時代にふさわしいワイヤーで、患者さんにとっては大変都合の良い“優れもの”といえるでしょう。